このドリルで扱うこと
壁を使って耳—肩—大転子—膝—外果(外くるぶし)の「5点」をそろえ、立位の軸を取り戻す小さなレシピです。 声を大きくするのではなく、息圧のムダを減らして、音の立ち上がりを均一にしていきます。
メカニズム
「出だしが強い/弱い」「語尾が消える」「息が漏れる」——そのブレは、発声の仕方以前に体の軸(スタック)が崩れているサインかもしれません。
軸が前に倒れたり、肋骨が開いたままだったりすると、呼吸の支えが安定しにくくなります。すると、息圧を保つために喉や首が代わりに頑張り、声の出始めが毎回バラつきやすい。
そこで、壁に「5点」をそっと置きます。重心が足の上に戻り、胸郭と骨盤が重なりやすくなると、横隔膜の上下がスムーズになり、吐く息の圧が整ってきます。
スタックが整う → 息圧のムダが減る → 声の出し始めが均一。結果として、声がやさしく、関係がやわらぐ方向へ。
感覚キュー
- 耳—肩—大転子—膝—外果(外くるぶし)の「5点」が、壁にやさしく触れる
- 腰を反らない/あごを引きすぎない(“積む”けれど固めない)
- 吐く息が、胸ではなくお腹の奥から細く長く出る
- 一言目、声の出始めが、同じ響きの温度・圧で出る(出だしが暴れない)
30–60秒ドリル
- 壁に背中を向けて立つ(かかとは壁から数cm)
- 耳—肩—大転子—膝—外果(外くるぶし)を、順に壁へ近づける
- そのまま30秒、呼吸を観察(吸うより吐く息をなめらかに)
- 壁から離れずに、1フレーズだけ発声(例:挨拶や短い文章)
※腰に痛みが出る場合は、かかとの位置を少し前へ。無理に壁へ押しつけず「触れる」程度で行ってください。
日常での使いどころ
会議の前、授業や面談の前、電話に出る前の30秒。
座っている場合は座骨から積み上げていく意識が大切です。
軸を積むだけで、出だしと語尾がやさしくなりやすく、場が落ち着きます。
軸が整うと、呼吸と声が安定する。出だしも語尾も、やさしくなりやすい。だから、関係がやわらぐ。